【page2022】グローバルグラフィックス 完全自動化のスマートファクトリーを提案
OPC UA、AIを使用したSmartDFEをデモ
〈D-38〉
グローバルグラフィックスはpage2022で、ラベル・パッケージ印刷のスマートファクトリー用デジタルフロントエンド『SmartDFE』のデモを通して、デジタル印刷機による完全自動化を提案する。
SmartDFEは、完全自動化で24時間365日稼働する工場を目指すスマートファクトリー用のDFE。FundamentalsもしくはDIRECT をベースに、OPCUAとAI機能を加え、スマートファクトリー化を支援する。OPC UAを使用して他社コンポーネントの制御をしたり、機器の稼働状況を把握することができる。また、Artemis Print OperatorAI(人工知能)を使用してSmartDFEの各コンポーネントを強化することもできる。page2022ではOPC UAを使用し、外部にあるタブレットデバイス上でRIP処理の進捗状況などの確認や制御を披露する。
SmartDFEは次の機能及びコンポーネントから構成される。
スマートジョブ生成
人の介在が必要な印刷ジョブの処理速度は、自動化されたシステムの処理速度にはかなわない。高度に自動化された印刷システムでスムーズに処理するには、PDFファイルの検証、修正、およびさまざまな事前準備をすることが重要となる。HYBRID SoftwareのSTEPZは、ラベルとパッケージング用のプリントレディPDFを生成するためのプロフェッショナルなツール。VDP用のPDFを準備、マークの追加、色の修正、ステップ&リピートのすべてを1つのツールで対応することが可能となる。
スマートジョブコストエスティメーター(SmartJCE)
SmartJCEは、SmartDFEを駆動するのと同じHarlequin Directを使用している。特定ジョブのインク、媒体、およびサービスの非常に正確な見積を提供するとともに、個別のコストとジョブ全体コストを計算する。SmartJCEは自己完結型であり、印刷サブシステムやインターネットへ接続する必要がない。これは、外出先でジョブコストの見積を提示したい場合に理想的な機能となる。
スマートプロダクション
ジョブが生成されると、スマートファクトリーに渡されて印刷および製造が開始される。これには、製造プロセスを通じて各拠点の正確な追跡と、印刷サブシステムを含むスマートファクトリコンポーネント間のシームレスな接続が必要になる。Smart Print Controller(SPC)は、複数の強力なテクノロジーを組み合わせ、生産プロセス全体を自動制御する。
スマートワークフロー
CLOUDFLOWは、高度なワークフローを作成するためにSmart PrintControllerと共にインストールされるエンタープライズラベルおよびパッケージワークフローシステム。これは、プライベートまたはパブリックコンピューティングクラウドで自動グラフィックス制作ワークフローを実行するための、コンパクトで最新のモジュラーシステムである。これまで以上に、印刷事業者の成功は、同じ従業員数と設備で、如何に大量の小さな注文を処理できるかが関わってくる。これには新しい自動化ツールが必要となる。
スマートプリントオペレーターAI
専用の印刷プロセスでは、熟練した知識を持つ印刷機オペレーターを必要とすることがよくあるが、印刷がより広範なスマートファクトリーのサブシステムに移行するにつれ、オペレーターのスキルは変化している。スマートファクトリーのオペレーターは、はるかに広範なテクノロジーセットの知識を持っているものの、印刷に関する深い知識は持っていない。Artemisは印刷オペレーターAIであり、高度なスキルを持つ仮想印刷オペレーターをSmart Print Controllerに追加する。Artemisは、クラウド上で機械学習モデルをトレーニングする。これらは、SmartDFEアプリケーションでローカルにオフラインで実行できるように展開できる。Artemisは、たとえばスマートな予知保全とジョブコストの見積を可能にする。
スマートコネクティビティ
スマートプリントコントローラーはOPC UA(Unified Architecture)を実装しており、プリンターサブシステムや生産ライン、さらにはより広範なスマートファクトリーと通信できる。OPCUAは、産業用通信の情報交換のオープンスタンダードで、OPC Foundationの800以上のメンバーによってサポートされており、5,000万を超えるデバイスに展開されている。完全な暗号化とセキュリティスタックを備えている(設計上安全)。Smart Print Controllerは、既存の業界標準のSCADA、PLC、およびコンポーネントに接続できる。強力なインダストリー4.0シナリオもある。
スマートプリントサブシステム
スマートRIPエンジン
最高の速度と完全なジョブ処理の柔軟性を得るには、印刷サブシステムを直接リアルタイムで駆動する必要がある。SmartDFEには、最初のページを瞬時に出力できる新世代のダイレクトストリーミングRIPエンジン(HarlequinDirect)が搭載されている。ディスクに事前にRIP処理するのでは、SmartDFEの一部である十分なリアルタイム性を提供できない。SmartDFEには、カメラベースのリアルタイム品質検査システムのサポートを追加するDirectQIも含まれている。これは、印刷用のラスターの生成と同じリアルタイムストリーミングだが、この場合はカメラシステム用にRGBで出力する。HarlequinDirectは、マルチコア、マルチPC 、超高速、非常にスケーラブルなRIPエンジン。Harlequin DirectはLinuxとMicrosoft Windowsをサポートしているため、PCを複数使用する場合のコストを低く抑えることができる。HarlequinDirectは、サードパーティのコアRIPに依存していない。高速性で定評のある自社のHarlequinコアを使用している。世界最速のスクリーニングコアであるScreenProTMコアが搭載されており、インクジェット品質を次のレベルに引き上げるためのPrintFlatTMテクノロジーも搭載されている。
スマートプリントヘッドドライブ用の
コントローラーボード
Meteor Inkjetは、すべての主要な産業用インクジェットプリントヘッドをサポートしており、新しいプリントヘッドに迅速に対応するため、プリントヘッドの選択に究極の柔軟性を提供する。たとえば、実績あるプリントヘッドモデルを使用して印刷機の開発に着手し、開発スケジュールへの影響を最小限に抑えながら別のモデルに途中で切り替えることができる。また1台の印刷機で複数ベンダーやモデルのプリントヘッドを混在させることもできる。この柔軟性により、優れた製品を市場に提供するための包括的なツールとサービス
のセットが提供される。
グローバルグラフィックスのブースではSmartDFEのデモのほか、『Fundamentals/ DIRECT』、『PACKZ/STEPZ/CLOUDFLOW』、『Harlequin CoreSDK』も訴求。また参考出品として、2021年10月にHybrid Software GroupPLCの傘下となったColorLogic GmbHのカラー技術も紹介する。