新星コーポレィションは、印刷物を無バクテリアと無菌の印刷物にできる画期的な水性ニス「Lock3」を出展する。

「Lock3」は、ドイツのレーゲンスブルク大学の研究所とTriOptoTecGmbＨ社が開発したDyphox技術（光増感剤による一重項酸素抗菌効果）によって製品化された水性抗菌分散ニス。製品化にあたり９ヵ月間、２つの病院で1,300の抗菌実証実験を行い、効果を確認。

第三者機関のEurovirによると、Lock3を塗布した印刷物表面にウイルス・細菌が付着した後、そこに日光や室内光が当たるとニス内に含まれる光増感剤が反応してウイルスや細菌を攻撃。1平方メートル10万個の細菌でテストしたところ、1分間で1,000個、8分間で1万個、60分で5万個、400分後には99・99％の細菌が消滅した。この結果から、新型コロナウイルス不活性化を証明するとして報告書が発行されている。

新星コーポレィションは日本の販売窓口として昨年9月から「Lock3」の提供を開始。同社の長嶺英生社長は「印刷の営業マンがお客様に案内パンフレットを渡そうとしたところ、感染が怖いから持ち帰って欲しいと言われたという衝撃的な話を聞き、コロナ禍で役立てることがないかと考えていた。印刷物を新型コロナウイルスから保護し、日本の印刷業界を元気にしていきたい」と述べる。

同社では、Lock3提供にあたり、新型コロナウイルスに対する検証結果であるEN14476準拠の証明書、「Lock3」ロゴの無償提供、データのＰＩＮの付与に加え、会員の取得順番号の運用を実施。Lock3の価格はニスの種類によって異なり、目安は20㎏11万円。カット紙の場合、印刷機のインラインコータおよびオフラインコータのいずれでも使用可能。コート、マットコート、コートボールに加え、フィルムの場合はPET、PP、合成紙にも対応。食品適合ニスとしても認可を受けているので、食品のパッケージや包装材などの印刷物にも活用できる。