【drupa2024】HP デジタル印刷機の最新ラインアップを発表、AIやロボティクスのソリューションも

日本HPは、5月28日からドイツで開催されるdrupa 2024に先駆け、商業印刷業界とラベルおよびパッケージング業界における生産の課題に向け開発したHPデジタル印刷機およびインテリジェントソリューションの最新ラインアップを発表した。drupa 2024のHPブースでは、最新のイノベーションを搭載した8つの自動生産ラインを実際に見学できる。これには25社以上のパートナー企業が参加し、20以上の独自の自動化ソリューションが組み込まれている。

「HP Indigo 120Kデジタル印刷機」は、大量生産と自動化に関して新たな標準を確立するとともに、顧客の厳しい要求に応えるために、印刷事業者がより直観的かつ経済的にアナログからデジタルへ作業の移行を可能にする。アナログとデジタル技術を組み合わせて生産現場を最適化することで、人手が必要な作業を減らし、1人のオペレーターによる複数の印刷作業を実現する。オフセット印刷に匹敵する画像品質、オフセットとデジタルの間での柔軟な工順、印刷機のカーボンフットプリントを11%削減するエコモードオプションを提供し、サステナビリティの目標達成も支援する。

HP Indigo 120Kデジタル印刷機

ベストセラーのB2対応デジタル枚葉印刷機の次世代機である「HP Indigo 18Kデジタル印刷機」は、汎用性、効率、使いやすさを新たな水準に引き上げた。商業印刷業界が大きな変革に取り組む中、印刷事業者が提供するサービスを充実させ、持続的な成長を支援する印刷機とソリューションが不可欠になっている。新製品はB2デジタル印刷機でこれまでに生産された最も幅広い範囲の印刷アプリケーションを処理することができ、多様な素材とジョブタイプにシームレスに対応。自動復旧やプロアクティブアラートなどの高度なAI機能により、生産性が向上し、生産プロセス全体が簡素化されて、印刷機の可用性が単一シフト内で最大80%に達する。また、HPのサステナビリティへの取り組みに沿って生産性向上モード(EPM)をサポートしており、1枚あたりのエネルギー消費を24%削減する。

HP Indigo 18Kデジタル印刷機

「HP Indigo 7K Secureデジタル印刷機」は、セキュリティを重視した印刷ジョブをワンパスで実行し、高度なセキュリティ印刷を提供。Jura JSPとの共同開発により、生産ラインのセキュリティを確保するためにワークフローをカスタマイズできる。このため、セキュリティ印刷事業者は幅広いセキュリティのニーズに応じて印刷物を多様化することでビジネスの成長を見込める。

HPは、市場で最速のナローウェブデジタル印刷機であり、革新的なLEPx技術を初めて使用した「HP Indigo V12デジタル印刷機」の一般発売も開始する。米国の持続可能なパッケージングとデジタル印刷のリーダーであるBrook + Whittle社を含むベータサイトへの設置が成功している。

インテリジェントな生産現場で成功への道を開く

HPは、AIとロボティクスによる自動化への業界アプローチを定義し、包括的な印刷生産自動化エコシステムを構築する。HP社内の調査によると、自動化されたプロセスを活用するユーザーは、自動化が進んでいないユーザーと比較し、印刷機1台あたりの生産量が51%、ジョブ数が80%多くなっている。これらのユーザーは前年比で平均27%ビジネスが成長しており、業界平均より高い成長率を示している。HPの総合的アプローチでは、効率的な印刷機に、ジョブの送信から発送までのインテリジェントな機能を組み合わせている。

効率に関する具体的なイノベーションには以下が含まれる。

・アナログ印刷および加工機のPrintOS Production Beatのサポート:HPの印刷機だけでなく生産現場全体を監視でき、アナログ装置からデータをリアルタイムでキャプチャして、生産全体をデジタル化できる。

・HP Indigo PQ Maestro:印刷機のパフォーマンスを最適化するインテリジェントなウィザードを提供する。

・Preflight:ユーザーのプリファレンスを学習することで、最適の印刷モードを自動的に予測するAIを活用した意思決定支援ツール。

・強化されたAAA 2.0(自動警告エージェント):人手をまったく介さずに印刷の生産性を向上させる機械学習アルゴリズム。

生産現場の生産性向上を目指す業界へ向けて、HPはMoviĜo社と共同で自律走行搬送ロボット(AMR)を発表した。このAMRでメディアの搬送を自動化することで、 印刷機あたり1日最大2時間を節約できる。。

インクジェット技術に関する継続的イノベーションを推進

HPは、独自のサーマルインクジェット技術を使用して、オフセット印刷に匹敵する品質と、デジタル印刷の高生産性を両立させている。HPが2009年に最初のインクジェットWeb Pressを発売して以来、すでに1兆枚以上のページが印刷されている。このほどインクジェットWeb Press シリーズ向けに新たに、生産性、自動化、経済性を向上する以下の機能を強化した。

・パフォーマンスエコノミーカラー(EC)モード:少ないカラーインクでユーザーが求める印刷品質を提供し、納期を短縮しながら最大244メートル/分と生産性を60%向上。

・Smart Workcell Controllerの一般提供:インテリジェントオートメーションが大幅に向上し、生産性が最大15倍向上。

・オンプレスカラープロファイリング:自動化により、カラープロファイリングにかかる時間が5分未満で、通常の10分の1の時間となる。

HPはさらに、2022年に発表した「HP PageWide Advantage 2200」について、汎用性を広げる2つの新機能を追加した。

・厚紙への拡大:これまでより厚い素材を扱えるようにすることで、印刷事業者がより価値の高い仕事に対応できるようになる(最大320 gsm/18pt)。

・トランザクション印刷システム向けのMICR(Magnetic Ink Character Recognition):印刷事業者がより専門性の高い仕事を受注してビジネスを成長できるよう支援する。

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