【drupa2016】KOMORI デジタル機2機種を出展、29インチ枚葉UV、40インチ枚葉ナノグラフィック
小森コーポレーションは5月31日から6月10日まで、ドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大の印刷機材展drupa2016で、29インチ枚葉UVインクジェットデジタルプリンティングシステム「Impremia IS29」と40インチ枚葉ナノグラフィックプリンティングシステム「Impremia NS40」のデジタル印刷機2機種を出展する。
ImpremiaIS29
Impremia IS29は、プレコートをせずに紙種を選ばす一般的な印刷用紙が使用できるデジタル印刷機。特殊原反への印刷も可能で、サイズは北米レターサイズ(6面付け)まで対応する。UVインクで紙面がすぐに乾燥するため、印刷後、即時に後加工に回せるほか、高い表裏見当精度により両面をワンパスで印刷する。
仕様はCMYK4色で、片面3,000sph、両面1,500sph。最大紙寸法は750×585mm。紙厚は片面時0.06~0.6mm、両面時0.06~0.45mm。出力解像度は1,200dpi×1200dpi。
実演ではK-ColorSimulator 2 を用いたオフセット印刷と同じ用紙に同じ絵柄のカラーマッチングや、串刺し面付け(ブックブロック)形式によるバリアブル出力、ポスター印刷で3 種類の紙に3 種類の絵柄のバリアブル出力などを予定している。
Impremia NS40
Impremia NS40は、KOMORIとイスラエル・ランダ社の技術を融合したデジタル高速印刷機。「Nanographic Printing プロセス(Nanography)」を使用した画期的なシステムで、この革新的なシステムと印刷プロセスには、独自開発した数十ナノメーターサイズのナノ顔料粒子を色材として含む水性インクLanda NanoInkが採用されている。
Nanographic Printingプロセスでは、まず、ブランケットに数十億個のインク滴を打ち出して画像を形成する。それぞれのインク滴は加熱されたブランケットに付着して広がると、すぐに水分が蒸発し、極めて薄いポリマー膜となる。転写のために原反と接触して圧力がかかると、この薄い500 ナノメーターのインクの層は、原反に浸透することなく、強く瞬間的に接着。転写された画像は摩耗に強く、印刷後の乾燥も不要で、ブランケット上のインク残りもない。すべての既成印刷用原反(コート紙、上質紙、厚紙、プラスチック、特殊紙)が使用できる。
仕様はCMYK4色で、片面6,500sph。最大紙寸法は750mm×1,050mm。紙厚は0.06mm~0.8mm。最大出力解像度は1,200dpi×1,200dpi。
▽KOMORI・梶田取締役兼執行役員経営企画室室長の話
「先月、イスラエルで品質を確認してきた。驚くべき進化を遂げている。インクジェット+オフセットの技術なので、オフセット印刷機メーカーとして培ってきたノウハウが展開できる可能性がある。完成に近いところまで来ており、drupaで予約的な活動をしたいと考えているが、本格的な投入は2017年になると思う。生産はランダ社と協議している。搬送系は国内で生産する。少なくともKOMORI製については極力、国内でコンポーネンツの大半ができればと考えている」