【drupa2016】富士フイルム インクジェットと省資源を中心に~Jet Press 720Sの最新版を発表
富士フイルム株式会社は5月31日から6月10日まで、ドイツ・デュッセルドルフ市で開催されるdrupa2016に、『Value from Innovation』のスローガンのもと、インクジェットテクノロジーと省資源の二つの分野を中心に出展する。
富士フイルムはデュッセルドルフで開催された「drupa2016 メディアカンファレンス」二日目の3月1日に出展内容を発表。富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)の真茅久則社長、FFGSの伊藤卓也取締役執行役員技術本部長が登壇。富士フイルムのグラフィック事業戦略や出展内容を説明した。
出展コンセプトは「新(インクジェットイノベーション)」、「技(トラディショナルテクノロジー)」、「結(カスタマーケア)」の三つ。漢字を使ったロゴで、品質、技術、おもてなしの日本のものづくり文化を訴える。
「インクジェットテクノロジー」の分野ではB2サイズ枚葉型インクジェットデジタル印刷機「Jet Press 720S」の最新モデルを発表する。今回はソフトウェアを改良し、処理待ち時間が大幅に短縮させた。稼働率が従来比約20%向上し、より小ロット対応力を高めた。また、カンバス地への出力が可能となり、美術印刷の分野での利用が期待される。このほかMIS(経営情報システム)やWeb受注システムとの連携が強化されている。
サイン・ディスプレイ市場に向けては3.2m幅のフラットベッドとロールプリンターを組み合わせたUVインクジェットプリンター「Uvistar Hybrid 320」を発表する。195㎡/時の高生産とCMYKにライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、オレンジで高い色再現領域を実現した。ホワイトインクを追加した9チャネルにも対応する。こもほか900㎡/時という高速出力の「Onset X」、最速155㎡/時の「Acuity F」など、業務に応じた多彩なワイドフォーマットプリンターを出展する。
パッケージ市場に対しては昨年9月に開催のIGAS2015で参考出品した「MJP20W」を出展する。UVインクジェットは食品や衛生用品のパッケージで利用するにはインクの残臭が課題だったが、富士フイルム独自の画像形成技術「EUCON Technology」を搭載し、UVインクジェットの臭気を低減。CMYKにホワイトの5色で、50m/分と生産性も高い。
「省資源」の分野からは、オフセット印刷の省資源ソリューション「FIJIFILM SUPERIA」を提案する。印刷会社がコストと環境への対応が問われる中、完全無理処理版プレートなど省資源型のソリューションを訴える。また、フレキソ印刷では水現像フレキソ版の「FLENEX」による環境対応も提案する。
また、ハイデルベルグのブースでは同社と共同開発したB1サイズ対応の枚葉インクジェット印刷機の試作機が「Primefire 106」として出展される。