【drupa2016】ミューラー・マルティニ 〝フィニッシング4.0”掲げ、自動化技術「タッチレスワークフロー」
ミューラー・マルティニジャパンは4月7日、東京都板橋区の本社で、ミューラー・マルティニグループのルドルフ・ミューラー会長の来日に合わせて記者会見を開き、5月31日から6月10日まで、ドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大の印刷機材展「drupa2016」の出展内容を発表した。
記者会見でミューラー会長は前回drupa2012からの4年を振り返り、この間のSNS(ソーシャルネットワークサービス)や無人化・自動化の進展を指摘。「変化はいつも緩やかに始まった」と述べた上で、今後の製造業への影響を示唆した。こうした中、「ミューラー・マルティニはdrupa2016で“フィニッシング4.0”という新しいコンセプトで、皆さんを驚かせたい」と強調した。
同社が掲げる“フィニッシング4.0”は、すべての生産システムが厳密に規定されたフォーマットで生産に関わる情報を共有・活用し、無駄のない高効率の製本・加工を実現するという理念。小ロット
対応に限らず、印刷物のマスカスタマイズを可能にするもので、ミューラー会長はdrupa2016のブースに出展するマシンを説明した。
AlegroDigital(アレグロ・デジタル)
オペレータの操作を必要としない“タッチレスワークフロー”を実現した無線綴じ機。ローディングされたブックブロックを自ら測定し、自動でセット。これによりページ数などが異なる1部ごとの自動製本を可能にする。
PrestoDigital(プレスト・デジタル)
フンケラー社、ハイデルベルグ社と共同開発したロール、カットシート兼用の給紙システム搭載の中綴じ機。ダイナカットとフレキシブルフォールドを組み合わせて、8ページ以上のページ数の場
合、スピードを落とさずに4ページ単位で異なる中綴じ製品を連続的に生産できる。ページ数など仕様に関わる情報はワークフローシステムからコントロールされることになる。
Vareo(バレオ)
東京で開催されたIGAS2015にも出展された小型バインダー。上流から下流への加工プロセスを一連の自動生産システムとして発表する。
PrimeraMC
それぞれのユニットが独立駆動するモーションコントール(MC)を搭載したミッドレンジ中綴じ機。
ミューラー・マルティニではこれらを含めて9種類の新製品を発表。また、機械の持続性を高める計画保守サービス「MMサービス」のコーナーも設ける。
会期中はブースツアーも実施する。日本語の音声ガイドでも行われる。