【熊本県】有明印刷など2社 事業停止、自己破産申請へ(新型コロナウイルス関連倒産)

熊本県玉名市の 株式会社有明印刷 と関係会社の 株式会社パルス(大分県大分市)は、8月4日、事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。自己破産申請の準備に入った。負債は精査中だが、株式会社有明印刷が約3億円、株式会社パルスが約7,000万円。

株式会社有明印刷は、1961年に創業した印刷業者。関係会社が発刊するタウン誌「月刊ぷらざ大分」の印刷を主体とするほか、海苔や薬品ケースなどのパッケージや販促用チラシなどの総合印刷業を行っていた。また大分市には7階建の自社ビルを所有して賃貸収入を得ていた。
しかし、熊本地震の発生で本店事務所および印刷機が被災し熊本地震融資を利用。加えて近年は広告が紙媒体からデジタルへ移行するなかで受注が減少推移にあったほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で広告宣伝費を抑制する企業が増加。それにより年売上高が減少していた。また売り上げの減少に伴い資金繰りが悪化し、新型コロナウイルス関連の制度融資を利用したほか、関係会社などが入居していた大分市内の社有ビルを2023年5月に売却して負債の圧縮を図ったが、業況が改善されず事業継続を断念し、今回の事態となった。
株式会社パルスは、1989年に設立。設立当初は大分市のタウン情報誌「月刊ぷらざ大分」を発刊していた。2020年12月にタウン情報誌の発刊事業を第三者に譲渡して以降、本格的に事業を行っていなかったとみられ、株式会社有明印刷に連鎖した。

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