【愛知】奉仕堂印刷 事業停止、自己破産申請へ
愛知県豊橋市の 株式会社奉仕堂印刷 は、6月30日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。負債額は約4億6,000万円(変動する可能性あり)。
同社は、1954年創業の印刷業者。一般的な印刷業務のほか、店名自動差し替え印刷により多店舗展開を行う企業チラシなどで受注実績を増やしたほか、大手業者が扱いづらい小口案件等の下請先として重宝されていた。
しかし、宣伝媒体の電子化などで印刷市場が縮小傾向にあり、得意先からの単価引き下げ要求も厳しく、低採算体質が続いていた。大口受注先に対する納期遅延をきっかけとした多額の補償発生などで大幅赤字の年度もあり、財務体質が徐々に悪化した。新型コロナウイルス感染拡大以降はイベントが見送られたことによるパンフレットやポスターなどの安定受注品を失うなどの影響や、社内工場での死亡事故などもあり業務管理体制には改善の余地があることから状況が一層悪化した。改善のために代表が交代し、社内体制の抜本的な改革に着手したが、業況改善の見込みが立たず、厳しい資金繰りを余儀なくされ事業継続を断念、今回の事態となった。