広島県広島市安佐南区の BI株式会社 は、５月28日、東京地裁より特別清算開始命令を受けた。負債は、金融債務のみで約９億5,000万円。
同社は、1949年に設立した印刷業者。広島市安佐南区に本店を構え、カラーチラシを主体に、パンフレットやポスター、カタログなど商業印刷物の企画・デザインから製本までを一貫して手がけていた。輪転印刷工場など機械設備を充実させ、年売上高や約36億6,000万円を計上。2003年には広島・東京・大阪の３本社体制とし、都市圏での受注拡大に注力していた。しかし、同業者との価格競争が激化し、ペーパーレス化の影響で印刷需要が低迷。売上高が落ち込み、採算面も低調に推移して債務超過が続いていた。設備投資に伴う多額の借入金の返済が重荷となり、金融機関に対して返済条件の緩和を要請するほか、経費削減などの合理化に努めていたが、資材価格の上昇もあって業況の悪化に歯止めがかからなかった。以降、受注環境は好転せず、営業の継続は困難と判断。2016年３月に同業者へ事業や従業員を引き継ぎ、資産の売却などを進め、2022年11月30日に登記面本店を現所へ移転。株主総会の決議により解散していた。