【北海道函館市】辻商事 自己破産申請へ
北海道函館市の 辻商事株式会社 は、2月9日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。負債は約7億円だが、今後変動する可能性がある。
同社は、1912年に創業した印刷業者。函館市の本店と札幌市に工場があり、新聞社や大手印刷業者、広告業者などを得意先とし、チラシやパンフレットを中心にポスター、はがきなどのオフセット印刷を手がけていた。また函館空港内および新函館北斗駅前の複合商業施設内に店舗「高砂屋」を運営し、観光土産物を販売していた。主力の印刷部門は短納期や小ロット、多品種印刷物に対応できる設備や生産体制を、商事部門は店舗の好立地と観光客をターゲットにした道南地区の名産品や道内の有名菓子類などの品揃えを強みとしていた。しかし、近年は印刷需要の低迷や大口得意先との取引がなくなるなど売り上げの落ち込みを余儀なくされ、売上高が減少。紙やインクなど材料費の上昇から赤字決算が散発するなど財務内容も債務超過が続き、厳しい運営を強いられていた。今期に入っても業況が回復せず、先行きの見通しが立たなくなったことから事業の継続を断念した。