【全日本印刷文化典広島大会座談会】新たな時代に向かって大きな一歩を~広島らしさ前面に発信
全日本印刷工業組合連合会、中国地区印刷協議会、広島県印刷工業組合は、10月13日、14日の両日、広島市のリーガロイヤルホテル広島で、「2023全日本印刷文化典広島大会」を開催する。テーマは“真っ赤に燃やせ!印刷魂 水の流れが大地を創る。人の心が未来を開く”。広島大会は5年ぶりに全国の会員が集い、交流し、エールを贈り合う場として位置付けられる。また、コロナウイルスが第5類に移行し、人流が活発化してきた中で、広島大会は、停滞していた組合員の交流が再開する場としても期待される。大会を目前に、広島大会の魅力や目的、開催に向けた想いについて実行委員会メンバーに話を伺った。
●座談会出席者
大会委員長 中本 俊之氏(株式会社中本本店)
実行委員長 宇都宮公徳氏(株式会社ユニックス)
大会顧問 喜瀬 清氏(株式会社ユニバーサルポスト)
総務部会長 中川 隆氏(中川印刷株式会社)
広報企画部会長 細川 俊介氏(アート印刷株式会社)
式典部会長 青木 博氏(明生印刷有限会社)
懇親会部会長 宮﨑 真氏(株式会社ニシキプリント)
夢メッセ副部会長 田尾 直也氏(株式会社原色美術印刷社)
―― コロナ禍以降、初めての大会、コンセプトとテーマに込めた想い
中本 大会実行委員会は以前より「一日早く来て、一日遅く帰っていただく」というテーマを掲げておりました。それに加えて、参加者の方々に、「だから広島に行きたい」という思いを抱いてもらうことをコンセプトに、大会準備を進めてきました。
具体的には二つの催しを企画しています。一つ目が10月12、13日に開催する『印刷産業 夢メッセ』です。広島県印刷工業組合が毎年主催している同イベントは今回、全日本印刷文化典との合同開催となります。
二つ目が14日に実施する観光エクスカーションです。広島県印刷工業組合の組合員企業の工場見学や、宮島観光のコースをご用意しています。全国から来られる参加者の方々が、思い思いの楽しみ方で広島らしさを体感していただきたいと思います。
―― 大会を通じて広島から発信したいメッセージ
宇都宮 今回の大会で、「リアルで人と会う大切さ」を発信したいと考えています。大会の中で、広島の人々を知り、相手の考え方に触れ、自分の意見を発信する。お互いに影響し合うことの大切さを感じ取っていただきたいですね。
また、次世代の印刷産業の価値を向上させるため、情報交換を重ね、全印工連が一丸となることの素晴らしさを体感していただければ幸いです。平和の地広島で行われる大会のため、平和の大切さや次世代に何を残すべきか考える大会にしたいと考えています。
―― 全国組合員の受け入れ体制
細川 広島での開催は第1回全日本印刷文化典から、実に50年振りとなります。今回、「広島らしさ」をアピールするために、備後地方のデニム生地に着目しました。備後地方は国内で約80%のシェアを誇るデニム産地です。
このデニム生地からネクタイとスカーフを製作し、全日本印刷文化典のスタッフのユニフォームとして使用します。当日は広島らしい出で立ちで、皆様をお迎えいたします。
―― 式典のスケジュール
青木 今回、記念講演には広島のプロサッカーチームであるサンフレッチェ広島から、アカデミー普及部コーチの駒野友一様、クラブリレーションズマネージャーの森崎和幸様、アンバサダーの森崎浩司様をお招きします。登壇者の方々は元プロサッカー選手で、現役時代にサンフレッチェ広島を勝利に導きました。人の動かし方、チームの在り方を肌で感じた経験から、チームを無理やり引っ張っていく指導ではなく、チームメイトの自主性を活かす「非カリスマ性」指導法など、印刷業界の皆様の人材育成や組織づくりの参考になるお話を伺います。
―― 懇親会の饗宴内容
宮﨑 詳細は、当日までのお楽しみとさせてください。委員会がモットーとしているのは、広島らしさを前面に出した懇親会です。飲み物、食べ物、催し物全てで広島らしさを体感できる内容をお届けします。
―― エクスカーションの工場見学について
喜瀬 広島の仲間が何をやっているか、知りたい人もいるんじゃないかという声を頂き、工場見学のコースが企画されました。
それぞれの企業のレクチャーを受けてからバスに乗って3社を巡ります。全日本印刷文化典では初めての企画だと思います。
中本 中本本店では2社の印刷機を紹介します。機械を入れたら仕事が来る時代ではないので、機械を使ってどう展開しているか事例として、こういうことで汗を流していますというところを見て頂きます。
宇都宮 当社ではハイデルベルグの機械と、社員がどのような顔をして働いているのかを見て頂きます。
喜瀬 当社の大州工場に設けているデジタル輪転機を使って何をしようとしているのか、皆様に見ていただくと聞いています。データを分析してパーソナライズDMをどう作っていくのかをお話する予定です。
―― 同時開催となる夢メッセの位置付け、意義
田尾 印刷産業 夢メッセは、夢を語り合う情報の場として企画されました。17回目の開催となる今回は、全日本印刷文化典と同時開催となります。当日は9本のソリューションセミナーを予定しています。
また、基調講演の講師に、グラフィック社の津田淳子様をお招きしました。津田様はデザイン専門雑誌「デザインのひきだし」の編集長を務められ、今回は創刊50周年秘話をお話ししていただきます。実現可能なヒントがもらえるソリューションセミナーと基調講演を、夢メッセの二本柱としています。
—— 全国の組合員へのメッセージ
中本 参加者の皆様には、ぜひ広島県の仲間たちの元気な姿を見ていただきたいと思います。コロナやペーパーレス化など、印刷業界に強い逆風が吹いています。
その逆風を吹き飛ばせるような、おもてなしを用意しております。広島を見て、感じてください。広島県印刷工業組合の組合員の笑顔を見て帰ってください。私たち大会実行委員会は、今回の大会を通して、「負けるな、印刷業界」というメッセージを発信していきます。
宇都宮 メインテーマである「真っ赤に燃やせ!印刷魂〜水の流れが大地を創る。人の心が未来を開く〜」の由来となった広島東洋カープがこの10月、クライマックスシリーズへの出場を予定しています。どの順位でカープがクライマックスシリーズに出場できるのか、今から気が気でなりません(8月30日現在)。当日は、カープで盛り上がる広島に皆様をお招きできれば嬉しいです。
中川 私は全印工連のイベントを通して、色んな土地にお招きいただきました。同じように、皆様も広島に来ていただいて、広島の良いところを楽しんで帰っていただければ幸いです。
細川 私は全国の皆様と、紙の良さについて語り合いたいと考えています。DXが進んでも、まだまだ紙の良さがあると思っています。印刷文化典の中で、一緒に印刷業界の未来を想像できるようなお話ができることを期待しております。
青木 印刷業界全体で厳しい風が吹いておりますが、今回の大会は、500人以上の仲間に集まっていただく予定となりました。当日、こんなに同志がいるということを感じていただきたいです。
宮﨑 組合のメリットを活かして使い倒しましょう、そしてよりよい組織を作っていきましょう。そのことを伝えていきたいです。
田尾 参加者の皆様には、ぜひ広島の風をたっぷり浴びて帰っていただきたいです。
喜瀬 500人の参加者が笑い、涙する大会としたいです。そして、皆様がその想い出を胸に刻んで、これからの組合運動を続けていく。記憶に残る大会にしたいと考えております。