京セラ 音声をリアルタイムに表示する字幕表示システム「Cotopat」の販売を開始で、誰一人取り残されない共生社会の実現に貢献

京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社は、京セラ株式会社が開発し、事業化にむけて実証実験を重ねてきた “わかりやすい字幕表示システム” を、「Cotopat(コトパット)」(登録商標申請中)として、8月17日から販売を開始する。それに先立ち、8月8日、京セラドキュメントソリューションズジャパン東京本社”ナレッジプラス東京”で、記者発表会を行った。

今回、発売される『Cotopat』は、話した言葉をリアルタイムに認識して文字・図解・動画をスクリーンに表示するシステム。これにより、会話の聞き取りづらさを解消し、コミュニケーションを円滑にする。聴覚障がいのある人や高齢者は、コロナ禍におけるマスクやアクリル板を介した会話の聞き取りづらさなどから、コミュニケーション障がいを感じている場合も多いことから、その課題を解決するため、2021年に京セラが開発した。
『Cotopat』を活用することで、相手の表情を見ながら安心して会話することができ、発話者もスムーズに情報を伝えられるため、さまざまな業種の窓口業務でのサービス向上や対応時間の短縮に貢献する。京セラでは同システムの事業化を想定し、これまで複数の企業や自治体において実証実験を行ってきた。導入先からは、聴覚障がいのある人や高齢者だけでなく、あらゆる人の理解の助けとなり円滑なコミュニケーションに繋がっているなどの評価が寄せられている。同社では、社会課題の解決に挑戦し、新しい価値を提供することで将来社会の創造を目指すとしている。

記者発表会では、京セラの研究開発本部本部長の仲川彰一氏が、「京セラの研究開発とわかりやす字幕表示システム」について、社会課題としてコミュニケーションしずらい環境があることや、そこから得た4つの気づき(リアルタイム制、判別性、設置性、対話性)をもとに開発が進められたことが解説された。
また京セラドキュメトソリューションズジャパンの代表取締役社長である長井孝氏が登壇し、「新商品『Cotopat』の発売開始にあたり」と題して、事業概況や発売に至る経緯とCotopatの特長を紹介した。同社では、A3複合機、A4複合機、プリンター、ソリューションと大きく4つの事業に分けることができるが、中でもソリューション事業が成長しており、今回のCotopatは新しいソリューション事業として提供していくものになる。

8月8日に行われた会見で発言する長井社長(中央)、右が仲川氏、左は原氏

続いて、Cotopatの詳細については、京セラドキュメントソリューションズジャパンのマーケティング統括部の原康二部長が解説した。

【『Cotopat』について】
音声をリアルタイムに表示する字幕表示システム『Cotopat』には、主に3つの特長がある。

①音声を字幕として表示
 音声を認識して、リアルタイムに字幕として表示する。文脈を認識し、同音意義語や文字区切りも自動で補正。専門用語をあらかじめ登録しておくことで、文字変換率が向上する。

②文字、図解や動画によるわかりやすい表示方法
 登録した単語を強調して表示することが可能。文字だけではなく、図解や動画を表示できるので、健康保険証やマイナンバーカードや、利用の仕方の動画を流すなどすることで、視覚情報を通して、よりわかりやすく伝えることができる。

③7 種類の言語の翻訳表示に対応
 発話者の言語を翻訳して表示する。日本語をはじめ、7種類の言語(日本語/英語/中国語-簡体/中国語-繁体/韓国語/ベトナム語/ポルトガル語)に対応しているので、海外からの利用者に、現地の言葉で情報を伝えることができる。

Cotopatは表示スクリーン上に音声をリアルタイムに表示して伝えることができる
図解や動画も表示できるので、わかりやすい説明が実現する

『Cotopat』の実証実験先として、「横浜市中区高齢・障害支援課」、「同志社大学 今出川、京田辺キャンパス」、「JR東日本 新宿駅」などが挙げられている。その評価からも、官公庁や自治体の社会福祉窓口・高齢者支援窓口・障がい者支援窓口、大学・図書館などの学生支援窓口や図書館利用窓口、旅行業・観光産業では駅改札や観光案内所、さらにはホテルフロントなど、様々な窓口業務での活用が期待できる。それ以外にも、医療機関や百貨店・ショッピングセンターなど、多様な人が訪れる場所での採用が想定されている。
今後、同商品の販売を担う京セラドキュメントソリューションズジャパンでは、各自治体や駅などの公共施設、大学、ホテル、百貨店などの受付、病院、福祉施設などの相談窓口への販売を予定している。

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